悶々といつまでも書かないまま古い話題になってしまいましたが、、、
「日本(日産)を食い物にしたんだ」「ヒーローかと思ったらとんでもない悪者だった。。」
こういった反応が少なからずあるように思うけど、僕が感じる違和感をここに書いておきたいと思います。
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さて、大前提として、カルロス・ゴーンさんは上場企業の「雇われ社長」です。
上場企業というのは、株主がいて、外部の監査法人がいて、監査役がいて、取締役がいるもので、カルロス・ゴーンさんはそのうち取締役の代表者に過ぎないのです。
報道内容をそのまま受け取ると、あたかもカルロス・ゴーンさんの周りには札束が積んであって、いつでも自由に人にあげたり自分の財布にしまったりできたかのような錯覚を覚えますが、
実際には、数十億円や数百億円といった金額を動かすときは、他の取締役からも同意を取らなければいけないし、実際にお金を引き出し・振込するときにはCFOなど金庫番が銀行に指示する必要があります。
さらに、そういったお金の動きは四半期ごとに監査役・監査法人がチェックしているはずなのです。
つまり、カルロス・ゴーンさんはお金の代わりに監視の目に四方を囲まれた状態で代表取締役会長を務めていたわけで、彼一人の判断で自由に物事を決定しお金を動かせる立場になどなかったのです。
もしも、それでも彼の独断でそういうことが起きているとしたら、上記の周りの方々が
1) 協力していたか
2) 見て見ぬふりをしていたか
どちらかしかないでしょう。
これは立派な職務放棄です。
株主はすぐにカルロス・ゴーンさんと一緒に他の監査役・取締役を解任して、株主代表訴訟を起こして、監査法人を交代すべきでしょう。
それなのに、今回の件ではそういった動きも、声も、ほとんど皆無です。
株主としては、これ以上日産の評判を落として株価を下げたくない、ビジネスへの被害を最小限に留めたいという思いもあるかもしれません。
メディアや検察はどうでしょうか。
日本は資本主義・民主主義ではなかったでしょうか。
勝ったものが正しい、ではなく、正しいものが勝つ社会を作ることの大切さと難しさを実感させられます。
p.s. レバノン人の友達によれば、カルロス・ゴーンさんは正しくはカルロス・ゴスンさんだそうです
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